知らない分野のwebライティングを任されたときの調査方法10

 いつもありがとうございます。林です。

 今日は、Web担当者としてまったく知らない分野のwebライティングを任された場合に、リサーチをどのように行うかについてお話したいと思います。

1. 大切なことは、あなたがその悩みの当事者であること

 まず、こうしたWebライティングをする上で大切なのが、あなたがその悩みの当事者であるということです。かといって、悩みの当事者にwebライティングをお願いしても、悩みの当事者はたいていの場合あなたの会社の商品についてはなにも知らないですから、それはそれでむずかしいものです。大切なことは、あなたが仮に今悩みの当事者でなくても、今日から悩みの当事者になり、商品のターゲットが抱えている悩みと同じ悩みを日々持ち続け、その解決に向けて真剣に取り組むことです。こういう気構えがなければ、まず人に商品を売ることができるほどの広告を作ることはできません。

 良い商品を作ること、良い広告を作ること、良いwebライティングをすることは、実はターゲット顧客の悩みと自分の悩みとを一体化させることとほぼ同義です。ですから、なんとしてでも自分が悩みの当事者にならなければなりません。その上で、顧客がその悩みを解決するためにはどうすればいいのかという問いの答えが極めてクリアに出るまで、徹底的に考え続け、動き続ける。これが売れるwebライターに備わっている必要最低限の資質です。

2. こんな自分ができることは、みんなも同じようにできる……とは限らない

 また、こうした商品開発、広告企画、webライティングを行う上でもう一つ大切なことがあります。それは、「ワンクリックは10km」という感覚を持つことです。「ワンクリックは10km」とはどういうことかというと、お客様に広告を読んでもらうためにワンクリックをしていただく、お問い合わせをいただくために、ご注文をいただくためにワンクリックをしていただくということは、すなわち10km歩いてもらうほどの面倒臭さがあるのだということです。この壁をどう乗り越えるか、あるいはこの壁をどう無くすかを常に考えていかないと、売れるwebライティングはできません。

 また、このことは売れる広告を作るための商品開発を考える上でも役に立ちます。つまり、やろうと思えばできることを誠実にやっていない競合が非常に多いということです。この部分を突けば、売れる広告を作ることはさほど難しいことではありません。人が面倒くさくてやっていないことでも、自分がやってみたらうまくいったということはやまほどあります。面倒くささから逃げずに、顧客の問題解決に資するサービスを作っていくことがあくまでも大切です。

3. 匿名掲示板や匿名質問サイトは当事者の悩みの宝庫

 ただ、良いサービスを作るために手間暇惜しまずと言っても、やはり手間暇をかける部分を間違えると空振りに終わります。ですから、何はともあれ、顧客が、それもあなたではなくて一般的な顧客が何で悩んでいるかをしっかりと把握する必要があるのですが、インタビューなどをしてみても、わりと人間は人によく思われたいという意識が強いため、通り一遍のことしか言わない人が多く、なかなか大変な側面があります。

 そこで、一つおすすめしたいのは、匿名掲示板や匿名質問サイトをひたすら読むことです。ああいったサイトには、特にその悩みを抱えて困っている人(本当に困っている人、受験でいうと成績が底辺層の人も多いし、真剣に勉強方法を探求している人も多い、半分半分ぐらい)が毎日昼夜を問わずにその悩みを書き込んでいます。こうした場所は有効活用するべきでしょう。

 現に、earth music and ecologyなどを展開しているストライプインターナショナルのブランド担当者は、TwitterやInstagramを見ながらユーザー心理やトレンドを把握し、それを商品開発に活かしているといいます。このような多くの情報が集まる空間を有効活用しながら、サービス作りを行っていく企業は今後ますます増えるでしょう。

 一言でいうと、机上でペルソナを作ったところで、それが的確に当たるマーケッターであれば問題ないのですが、たいていはそうではないので、机上でペルソナを作るのではなくて、実際にデーターを取りに行って考えることが極めて重要になります。

4. 世の中にあるありとあらゆる問題解決法を調べるために書店に行く

 ある程度顧客の悩みを把握したところで大切なのは、それをどのように解決するかを考えることです。そのやり方を一番教えてくれるのは競合の製品ですが、競合の製品を真似しただけでは競争に勝つことは絶対にできません。むしろ競合の製品の方が現状有名なわけですから、大切なことは競合の製品よりも圧倒的に良いことです。圧倒的に良くなければ無名の商品は一つも売れません。競合の製品を調べ尽くすのは事業を行う上では必要最小限のことですが、それでは全く足りません。

 初期アイディア段階の商品を良くするために必要なことはリアル書店に行けばだいたい書いてあります。現に、インターネット草創期の話ですが、paperboy co.(現GMOペパポ)を立ち上げた家入一真氏は、書店に行って「サーバーの作り方」という本を買い、それをベースにして個人向けとしては日本一のサーバーレンタル会社を創業しました。今ではIT関連の企業は多いので、技術的な難易度はかなり変わってきていますが、今でもこのような形で企業を創業することは十分可能です。

 ここで大切なことは、「大規模な」「リアル書店」に足を運ぶことです。アマゾンで本を買っても良いのですが、無尽蔵にお金があるわけでなければ辞めたほうが良いでしょう。リアル書店の良さは、圧倒的な冊数の代表的な本(玉石混交ではなくある程度売れてきた本)を、一瞬で圧倒的な一覧性をもって比較検討し、優れた内容の本を探すことができることです。残念ながらいまのIT技術ではそれはまだまだ難しいのが現状です。ですから、ぜひ、「大規模な」「リアル書店」に足を運ぶことをおすすめします。薬の作り方であれ化粧品の作り方であれ、たいていの知識はここにあります。

5. 世の中には全く世間には知られていないが優れた問題解決法がたくさんある

 実際に「大規模な」「リアル書店」に足を運んでみて気付くのは、世の中にはこれほどまでにも世の中には全く世間には知られていないが優れた問題解決法がたくさんあるということです。商業出版のベースに乗せることができるほどの問題解決法ですから、それぞれに本にかかれていることがそれぞれにある程度の社会的な意義を持っています。(残念ながら現状電子書籍はそこまでのクオリティーには達していません。この点は、出版しやすさが逆に仇となっている形です。)

 ここで考えなければならないのは、なぜこれほど優れた問題解決法があるにもかかわらず、世の中には普及していないのかということです。残念なことではありますが、世の中で多く広まっているサービスは、必ずしも一番質の高いサービスではありません。この市場の歪みを解決するのが起業家の社会的な使命の一つであり、そのためにはまず質の悪いサービスがなぜ拡大しうるのかについて分析しなければなりません。

 質の悪いサービスが広がる原因について考えると、一つには質の悪いサービスほど原価が安く、その分それを販売しようとする起業家の情熱が増すためです。気合と根性みたいな話しになりますが、起業家の情熱はたいていの不可能を可能にする側面もありますし、単純に当該マーケットには当該起業家しかいないため、そのマーケットの消費者たちがしぶしぶその商品を買わざるを得ないというケースもまた多いのです。ニッチマーケットではそうしたこともよくある話しなので、このあたりは注意して考えなければいけません。

6. 優れた問題解決法が普及しない理由(1)「人材・原料の質(コスト)

 そうした背景を理解しつつ、優れた問題解決法が普及しない理由を考えると、まず第一には優れたサービス・製品を提供するための人材・原料の質が高いことにあります。これについては、創業初期については創業者の人力・仕入れルートを酷使することで解決できますし、大規模化すればマニュアルの再現性を高めたり、規模の経済性を活かすことで解決できる問題です。

 また、人材にも原料にも言えることですが、商売の原則として「利は仕入れにあり」という言葉があります。価格については、ある程度競合の製品価格や顧客からの要望もあるので、どれほど高く取ろうと思っても、それほど高くは取れないものです。そのことを考えると、仕入れには工夫の余地があります。たとえば、私自身も元教え子を講師としたり、ツイッターなどで社会にうまく適応できない高学歴な人たちと親しくなることで、人材の採用コスト・人件費を節約していますし、こうした工夫はかなり企業が大きくなっても、他企業に任せること無く、自らが責任をもって行うべきでしょう。

 仕入れルートの開拓についても、会社が小さいうちは規模の経済性にばかり目を奪われて、小ロットだとどうしようもないと思いがちですが必ずしもそうではありません。会社が小さければ小さいなりにいくらでも工夫の余地はあるものです。たとえば、earth and music ecologyを創業した石川社長は、ブランド立ち上げ当初、デニムの端材などを手に入れては商品にしていたという逸話があります。このように、端材などを活用して低コストな商品を作れるのは中小零細事業者の強みといえます。

7. 優れた問題解決法が普及しない理由(2)「マニュアルの再現性」

 また、質の高いサービスが求められる業種では、マニュアルの再現性が確保しにくいため、必然的に人件費が高くならざるを得なくなり、結果サービスの価格も高くなるという現象も考えられます。ここで考えなければならないのは、マニュアルの再現性が確保しにくくしている要因はなにか、それが本当に良いサービスの提供を困難にする要因なのかを考えることです。

 たとえば、私が経営している家庭教師事業においては、1コマ1時間~2時間のレベルの高い指導を受けるには非常に高額なお月謝が必要でした。その要因は、1時間~2時間、指導クオリティを落とさずに指導することが、学生講師など素人に近い講師ではなかなか難しいからです。しかし、家庭教師サービスを利用している人が必ずしも長時間の指導を求めるかというとそうではありません。多くの場合、家庭教師を依頼するのは勉強ができないお子さんがいるご家庭であり、そうしたお子さんが勉強するようになることが家庭教師サービスに求めるゴールだからです。

 そこで私は、指導時間を1コマ10分にし、その10分の時間でギリギリ伝えきれるかどうか分からないぐらいのマニュアルを設定することで、講師の指導クオリティが落ちないタイミングで次の生徒に指導を切り替えるような仕組みを作りました。そのおかげで、人件費が安い学生講師でも高いレベルの指導を可能にし、慶應対策の家庭教師相場の半額以下の価格でのサービス提供を可能にしたために、繁忙期には100人以上の生徒からネット完結でご成約をいただけるようになったのです。

8. 優れた問題解決法が普及しない理由(3)「マーケティング」

 また、これが一番多い理由なのですが、優れた問題解決法がなかなか広がらない理由として、そもそも優れた問題解決法を考案した人が、必ずしも優れたマーケティング手法に詳しいわけではないということです。このギャップがあるために、優れた問題解決法がなかなか世の中に広がらないという現状があります。

 ですから、あなたにも、優れた問題解決法をリサーチし、それをこのサイトで紹介しているような優れたマーケティング手法で世の中に広めることができれば、十分に成功できるチャンスがあります。そうした意味でも、やはりマーケティングの手腕というのは、今後ビジネスを行っていく上で欠くべからざる要素なのです。

9. 優れた問題解決法が普及しない理由を潰して、競合より構造的に優れた問題解決法を提供する

 ここまでお読みいただいて、参考になったという方もいらっしゃれば、期待外れだったという方もいるでしょう。後者の方にご理解いただきたいのは、効果の出るwebライティングをするということは、文章を書くことに留まらず、良い商品・サービスを作ること、その良い商品・サービスが安定して供給される仕組みを作ることをも含めた総合的な力が求められるということです。

 価値のない商品、顧客にとってなんらプラスにならない商品を表面上のきれいな言葉だけで売りつけるのは詐欺と言っても過言ではない所業です。そうした立ち回り方を志向される方は非常に多いのですが、それでは永続的なビジネスはできません。真っ正直に良いものを作る、それを真っ正直に良いマーケティング手法で売る。この二点が両立されていることが、永続的にビジネスを行うには必要不可欠であるにもかかわらず、そうした姿勢に欠けている事業者があまりに多い。この二点のどちらかが欠けている事業者が非常に多いのです。

 効果の出るwebライティングをするためには、まず何よりも良い製品を作ることが大切です。効果的なマーケティング技術はあくまでもその後に活かされるべきものです。優れた問題解決法が普及しない理由を潰して、競合より構造的に優れた問題解決法を提供することがまず大切になります。また、こうした問題解決法は模倣されがちなので、従業員の風土や、マニュアルの中の細かい工夫の蓄積など真似しにくい部分で競合優位性を高めていく必要があります。

10. 競合に対するリサーチは、すなわち自らも含めた業界全体の弱さへのリサーチである

 また、最後に蛇足にはなりますが、優れたwebライティングをするためには競合調査が必要不可欠なのですが、競合調査はなにも競合を調べるだけのことではなく、今後の自らも含めた業界全体の弱さへのリサーチです。顧客が競合製品に抱えている不満を明らかにし、その上でそうした不満に対して、自分が経営者であればどのような工夫をもって解決していくかということが非常に大切になります。

 競合に対するリサーチは、すなわち自分自身の弱さに対するリサーチでもあります。人間は誰しもが、できることならサボりたいという怠惰な心を持っていますが、競合をリサーチすることは、すなわち自分自身のそうした怠惰な心をリサーチすることでもあるのです。そして、それに打ち勝つための仕組みを作るのが、優れたwebライターの仕事であり、優れた経営者の仕事であるといえます。広告のwebライティングを任されたあなたは、もはや経営者の一人なのです。少なくともその心構えを持って、社内の弱さ、そして自分の弱さと戦っていただければと思います。

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