億り人に聞いた億万長者になれるリスティング広告の打ち方

 いつもありがとうございます。林です。

 今日は、「億り人に聞いた億万長者になれるリスティング広告の打ち方」と題しまして、月100万円以上広告費を打つ、つまり月1000万円(年1億円!)以上の売上を狙う際に必要な考え方、どのようにマーケットを見て動けばよいのかなども含めて自分なりの整理として書いたメモを公開します。私自身は自分自身の事業としてはこれだけの広告費を扱ったことはないですが、SEM/LPOの修行をする際に先輩の経営する年商10億円ほどの通販会社を手伝っていた時期があり、その際に創業社長から学んだ新規事業開発のノウハウも交えながら、X億円ビジネスを狙うのに必要な考え方についてまとめていきたいと思います。私自身はまだ数千万円ビジネスしか手がけていないので、これは自分のための備忘録という側面が大きな記事です。そのことをご理解いただいた上でご覧いただければと思います。

1. 年商数千万円で終わるネットビジネスと、年商数億円を狙えるネットビジネスの違い

 まず、そもそもの大前提として確認しておきたいのは、年商数千万円で終わるネットビジネスと年商数億円を狙えるネットビジネスでは、そもそもの成り立ちから違うということです。年商数千万円、手元に月々100万円ぐらい残ればいいなあという動機で始めるビジネスと、年商数億円を狙い、企業としてのスタートラインを作っていくための事業とでは、そもそもの準備の仕方からして全く違います。

 ですから、手元に毎月100万円ぐらい入って来るようなビジネスをしたいとお考えなのであれば、それにふさわしい準備をしなければなりませんし、逆に毎年数億の事業から始めて、ゆくゆくは大企業を作りたいと思っているのであれば、それはそれでそれにふさわしい準備を作りたいしなければなりません。いずれを選ぶにせよ、それは最初から決めておかなければならないことなのです。

 年商数千万円で終わるネットビジネスと、年商X億円を狙えるビジネスの一番大きな違いは市場規模です。小さな市場規模のビジネスでは、よほど大きな創意工夫がないかぎりは、その規模は年商数千万円程度で制約されてしまいます。たとえば、私が経営している慶應SFC小論文に特化したネット家庭教師事業ですが、この事業で集められる生徒はせいぜい300人がいいところです。これは、毎年大手予備校が行う「慶大プレ」「慶大オープン」などの模試で、慶應SFC2学部を第一志望とする生徒がせいぜい300人程度しかいないことからも明らかです。それ以外の人は、そもそも小論文の配点が高い慶應SFCを第一志望とするわけではないので、ネット家庭教師で小論文指導を受ける必要性は低いですし、あまり有望なユーザー候補とはいえません。もちろんそういう人たちを慶應受験に引き込む塾がないわけではないですが、マーケティングとしては一段難易度が高いことは間違いありません。

 その点、年商X億円を狙えるビジネスであれば、その市場規模は大きく、たとえば教育産業であればその試験を第一志望にして受ける受験者が毎年一万人を超えるなどの特徴があります。また、これは化粧品や寝具などの業界でも同じです。多くの人が悩んでいる分野には、多くの売上が発生しますし、悩んでいる人が少ない分野では、それなりの売上しか発生しません。

 ここで、この市場規模をだいたい掴むために有効な手段が問題となります。一つの方法としては、Google Adwordsのキーワードプランナーがあります。(Yahooの試算についてはまた別のページで詳しく紹介しますが、あまり役に立たないのでここではGoogle Adwordsのキーワードプランナーの話だけをします。)このGoogle Adwordsのキーワードプランナーで関連ワードだけで1日3万円、つまり月100万円の広告費を消化できると判定されるマーケットについては、X億円規模のビジネスを生み出すかなり有望な可能性があります。この手法では一般的な調査会社の試算や、統計資料よりはかなり精緻にその事業の有望性を判定できます。(ただし、そのキーワードからあなたの商品を購買する可能性が高いケースにおいてのみです。このあたりについては、別記事「稼げるキーワード・稼げないキーワードの見分け方」で詳しく紹介していますのでご覧になってください。)

2. 年商数千万円で終わるネットビジネスの汎用性はさほど高くない

 ただ、一方で、こうした年商X億円を稼げる可能性のあるビジネスは、競合が多いことも事実です。X億円ビジネスは、たいていの場合は、5社ぐらいは有力な競合があり、リスティング広告を出していない競合も含めると10社ぐらいはそれなりの競合があるのが一般的です。逆に言うと、これ以上競合業者がいる場合にはそのセグメントのマーケットへの参入は避けたほうが無難です。多数乱戦すぎてまず埋没します。こうした激しい過当競争を避けて、年商数千万円程度のビジネスをまずは立ち上げて、そこから拡大していきたいという考え方も、もちろん理解できなくはありません。

 しかし、まず理解していただきたいのは、年商数千万円程度のビジネスと、年商X億円のビジネスは違うのだということです。年商数千万円程度のビジネスを立ち上げようと思って、年商数千万円程度のビジネスを立ち上げた先に、年商X億円のビジネスはありえません。(年商数億円ビジネスを立ち上げようと思って、その途中経過が年商数千万円のビジネスであるということはままありますが、年商数千万円のビジネスを立ち上げようと思って、年商数億円のビジネスになるというのは、よほど予期しない大ヒットや外れ値的な効果の到来が生まれない限りは難しいでしょう。)

 年商数千万円のビジネスを立ち上げて分かることですが、年商数千万円のビジネスというのは意外と汎用性がないものです。たとえば、私の場合だと、慶應SFC小論文の事業を展開した後は、慶應小論文対策の事業を展開しましたが、配点の半分を小論文が占める慶應SFCの試験とは異なり、慶應の他学部の試験において小論文の配点はせいぜい1/4程度で、慶應SFCに特化して運営していたときよりは、広告の費用対効果が落ちました。早稲田のスポーツ科学部なども小論文試験がありますが、これは慶應小論文と比較すると短期間の対策で合格できてしまうため、受験直前期を除いては広告を打っても採算が取れませんでした。

 また、英作文添削や数学添削にも参入しようとしましたが、うまくいきませんでした。理由は二つあって、一つはそもそもこうした大きなマーケットには、強い競合がおり、また学校の先生なども英作文や数学の添削には無料で応じてくれるからです。特に保守的な社会である日本では、有名であることそのものに大きな価値があるため、こうした分野への進出はうまくいきませんでした。もう一つ理由があるとすると、それはそもそも私が数学も英作文も大して好きではなかったからです。数学添削や英作文添削をネット上で行い、生計を立てている方はざっと検索してみただけでも数人いるのですが、これらの方に共通しているのは、とにかく数学や英作文が誰よりも異常なほどに好きであるということです。もうそれこそ大手通信添削業者のだれよりも数学や英作文が好きで、異常なほどに好きで、生活に支障を来すぐらい好きで、だからこそやむにやまれずそういう事業をしているという人は広告なんか打たなくても、SEOだけでお客様が引きも切らないのです。

 ビジネスをするときにまず大切なのは、これほどまでに好きになれるか集中できるかということです。もともと好きでなくても一向に構わないのですが、これは儲かる!これはいける!と思い立ったら、その瞬間からその分野のありとあらゆることを世界中の誰よりも好きになれるか、この好きになる力、愛する力が事業ではなによりも大切になります。そういう意味では幸せな家庭に生まれ、良い学校生活を過ごした方は親や先輩や友達から受けた愛をビジネスにつぎ込んで欲しいとおもいますし、そうでない人は自分が起点となって愛を注げるように事業活動に勤しんでほしいと思います。

 その上で、どうせ選ぶのであれば、自分が大好きで大好きで仕方がなくて(あるいは嫌いなマーケットだとしてもこれから大好きになって、世界中の誰よりもその分野について熱量を注ぎ込めるようになって)、かつある程度の市場規模が見込め、できれば自分たちがNo.1になれる可能性のある事業を選びましょう。この選択で間違えると、それは努力によっては巻き返しようがないほど大きな差になります。ここでは努力よりも選択の妥当性が物を言います。

3. 年商数億円を狙うために必要な初期投資額と回収時期の試算

 Google Adwordsのキーワードプランナーを使いながら、年商X億円のビジネスのタネを見つけることができたら、次に年商X億円のビジネスで競合にも負けない強さを持つためには、どの程度の投資が必要かを試算しましょう。その上であなたの会社にお金が十分ある場合には、それらの投資をどのように段階的にこなしていくかをお話しますし、あなたの会社にお金がない場合には、その投資と同質の投資を労働力や政治力などを使ってどのように実現するかについてお話します。(蛇足ですが、Google Adwordsのキーワードプランナーでいまいち1日3万円程度の広告費を消費するキーワードが見つからない場合には、クリック単価を300円ぐらいまで上げると良いです。まともな競合が5社ぐらいしのぎを削っているマーケットではこれぐらい出さないと上位表示はされません。)

 まず、概算として押さえておいていただきたいのは、原則論としては、年商X億円規模のビジネスを狙うとしたら、手元資金は最低でも3000万円は必要となります。その根拠は、まず支払い資金にあります。年商X億円規模、仮に年商1億円規模を狙うとしたら、月の売上は月1000万円程度になるでしょう。諸々の心配を資金繰りの心配なくできるようにするためには、月商×3ヶ月分程度の資金が必要であるといわれていますから、そういう意味でも手元資金3000万円は億円単位のビジネスをする上での一つの最低条件といえます。また、年商1億円というと、ネットビジネスは一般にかなり利益率が高いので仮に規模の経済が多少は働き始めて営業利益率が50%だったとして、実効税率などを考えるとだいたい3000万円はお金が残ります。ネットビジネスは営業利益率が高い反面、変化が激しく、競合もすぐに出てきますから、投資回収に許された期間は1年間であると仮定すると(これは通常のビジネスと比べればかなり速いペースですが、私は特に競争が厳しい語学系やダイエット系・健康系・化粧品系・プログラミング系・その他教育系のキーワードではこれぐらいの感覚でちょうどいいと思います)、3000万円の投資をして1年で億円ビジネスにした上で、3000万円を回収しなければなりません。こういう資金繰りの感覚をまず原則論として持つことが非常に重要になります。

 そして、その3000万円の手元資金をもうすでに持っている場合には、その3000万円の手元資金をどう活用して事業展開していくかを考える必要があります。しかし、たいていの場合、新規事業に3000万円の手元資金はないものです。個人で独立開業された方が3000万円の手元資金を持っているケースはまれですし、大企業の新規事業でもいきなり(純粋に事業投資として使える)3000万円の予算がつくケースはまれでしょう。えてして、日本の大企業では新規事業開発部が姥捨て山の形相を呈し、他の部門で付加価値を生み出せなかった人間の人件費を払わせるために予算が出ることが多いので、純粋に事業に使えるお金はさほどないにもかかわらず、結果だけを求められていて、現場の担当者が苦戦しているケースも多いのではないかと考えています。

 そうした際に活用すべきなのは、(自分自身の)労働力と、創業経営者であれ中小企業の経営者であれ大企業の担当者であれ、自分が持ちうる限りの政治力です。今回はこの二つを使って、3000万円の手元資金がなくともX億円規模のビジネスを作り上げた創業社長たちの例を参考にして、どのように労働力や政治力を手元資金の代わりに使い、Google Adwordsへの出稿を通じて、年商X億円ビジネスをつくっていくかについて考えていきましょう。

4. 年商数億円を狙うために必要な初期投資を労働力で賄う方法

 まず、新規事業を始めるにあたって考えるべきなのは、事業を立ち上げるあなた自身の労働力としての価値です。この価値というのは、あなた自身が恣意的に決めるものではなくて、どこか他の会社で自営業なりバイトなり契約社員なりで働いた時の時給です。つまり、世間が評価してくれるあなたの労働力としての価値です。プロジェクトに参加している人間の時給は共同経営者でもないかぎりここでは考えません。新しく立ち上げた会社に入るようなスタッフはそれほど労働力としては期待が持てず、また大企業でも成否が定かではない新規事業にアサインされる人材はさほど期待が持てないのだと、他人の労働力の価値については悲観的になったほうが、新規事業の立ち上げに際しては良いです。まず最初はすべてを自分でこなす覚悟を持つのです。

 その上で、あなた自身の労働力について考えましょう。あなたがエンジニアとして働くとしたら、たとえばクラウドワークスではどれぐらいの時間がかかる工数でどれだけの報酬をもらえますか。あなたがライターとして働くとしたら、何万字でどれぐらいの報酬がもらえますか。あなたが弁護士だったらどうですか。あなたが塾講師だったらどうですか。1時間の授業であなたはいくらもらえますか。ここであなたが正社員であった場合のことを考えてはいけません。正社員は会社の看板で稼いでいる分が給料にくっついているからです。資本装備も相当なものがあります。そうではなくて、一匹狼であなたが闘ったときに、どれだけの報酬をもらえるか、どれだけの時給を貰えるかをまず考えるのです。

 もし、一年でX億円のビジネスを立ち上げたいのであれば、3000万円分の労働を自分自身の事業に無償で、見返りを求めずに、リスクある取り組みにつぎ込みましょう。もし1年で3000万円分の労働をするだけの人材としての価値がないのであれば、計画を微修正して、まず1年目は1000万円分の労働をして、年商3000万円に届くかどうかのビジネスをして、そこで貯めた1000万円とあなた自身の労働力の2000万円で、年商6000万円に届くかどうかのビジネスを2年目にして、3年目で2年目に利益として稼いだ2000万円とあなた自身の労働力1000万円分を足し合わせて年商1億円のビジネスをしましょう。世の中で算段に合わない商売はほとんどありません。商売では、まずこのようにざっくりとかかるコストを試算した上で、なにを失う代わりになにを得るかをまずは決めるべきなのです。

 たとえば、私が慶應SFC小論文のネット家庭教師を始めたとき、私は慶應の主要5学部の過去25年分の小論文と慶應SFC2学部25年分の英語の解説をまず作りました。当時、私は大手予備校からも小論文講師としてオファーを受けており、その時の時給が15000円でした。これを蹴って自営業を始めたわけですが、ここでこれらの解説づくりに掛かったコストを自分の時給から計算すると

 {5(学部)×25(年分)×2(時間)}×15000(円)+{2(学部)×25(年分)×2(時間)}×15000円≒525万円

 となります。実際500万円近い投資で、1年目から1000万円以上の売上・粗利は出していたのでこの計算は決して馬鹿にできないものです。

 これは、他の業態でも応用が効きます。たとえば、近い例でいうと資格試験予備校の有力講師が独立した事例があります。司法試験の基礎講義と論文講義は合わせるとだいたい1000時間ほどになりますが、有名講師はこの1000時間ほどの講義をすることで、(司法試験が今のように停滞する前は)5000万円ほどの年収を期待できたといいます。つまり、1時間あたり50000円というのが有名資格予備校講師の相場であったわけです。そのことから考えると、彼らが独立する際には5000万円という投資を自らの会社に行い、その結果として年商X億円を1年目から達成したと考えることも出来ます。

 こうした事例は、なにも教育産業のみならず、IT業界や健康食品の業界、はたまた試薬を作る業界でも同じです。案件ごとのばらつきは意識しなければなりませんが、少なくとも試行回数が十分でありさえすれば、自分の市場価値分の投資を新規事業にぶち込めば、それ相応のリターンは期待できるものです。市場価値が高い人材が、どれほど試行回数を繰り返しても全く当たらないというケースは、マネジメント上の問題があるかもしくは自分の市場価値を誤算していたケースを除いては(つまり人の下ではよく働くけど、自由を手に入れたら全く働かなくなるなどのケース、もしくは自分の価値が不当に高いと勘違いしていた場合を除いては)ほとんど考えにくいものです。

 ただ、ここで注意しなければならないのは、こうした自己の労働力を投資しても、あなたのバイト先や勤務先と違って、あなたの会社にはそれを必要とする人にその労働力の成果を届けるだけの技術なり広告なりがないわけですから、それについては心を砕く必要があります。具体的には、オウンドメディアを通じたSEOと、Google Adwordsを通じたSEM・LPO、そしてYoutube・紙の書籍・電子書籍・アプリ・Webサービスなどがあなたの労働力の成果を世界に広げるための武器になります。このことは新規事業の立ち上げを志すのであれば絶対に忘れてはなりません。このことに新規事業の立ち上げにかかる労力の、最低でも半分以上は費やして、集客を自分の最重要課題として本気で考えるべきです。

5. 年商数億円を狙うために必要な初期投資を政治力などの工夫で賄う方法

 年商X億円規模のビジネスになると競合との争いも年商X千万円規模の個人事業における競合との争いの場合よりもさらに熾烈になります。年商X千万円規模の個人事業における競合は、せいぜい誹謗中傷をしてくる程度ですが、年商X億円規模のビジネスは掛かっているコストとリスクも段違いのため競合も変幻自在にビジネスのあり方を変えながら、ほんの少しの工夫や努力など一気に呑み込んでしまうような姿勢で新規参入者に襲いかかってきます。こうした攻撃は、労働力によるもののみならず、圧倒的な資金力をも含めたものも含めるのです。

 年商X億円規模のビジネスでは、労働力による差別化の他にも、資金力による差別化が特に有効になります。この規模のビジネスになると、もはや労働集約型産業というよりも、資本集約型産業になることもあるのです。こうした闘いに持ち込まれては、もうあなたは勝つことができないでしょう。そうなったときどうするかが頭の使い所です。

 たとえば、不登校のお子さんを、田舎の合宿施設に集め、生活習慣などを矯正することによって、年間300万円程度の費用を取るビジネスは、不登校ビジネスとして未だに活況を呈しているビジネスです。私もこれに参入しようかと考えたことがありましたが、広告を出す中で不登校の親御さんはそもそも子供の難関大学進学は望んでいないという問題があり取りやめにしました。どちらかというと不登校のお子さん向けの合宿施設は、姥捨て山的な要素が多いビジネスなのだということがわかったためです。

 ただ、この事業について参入検討したり、実際広告を打った中で学ぶことはとても多かったのも事実です。たとえば、こうした合宿施設はその建設に多額の費用がかかることが一つの参入障壁なのですが、実際には廃校を使うなどするとかなり安く抑えられます。私が知っている例だと、成田空港のすぐ近くにある築20年程度のきれいなコンクリート建築の小学校校舎が月18万円で賃貸できる事例がありました。他にも東京駅から1時間ほどで行ける山梨県大月市などにもこういった大規模な廃校はたくさんあります。東京駅から1時間ほどで到着する築20年程度できれいなつくりをしたコンクリート建築の校舎は、探せばわりとたくさんあるのです。私も、方方手を尽くしてこうした校舎の利用権を得られないか交渉したのですが、「表玄関」から交渉するとなかなか難しいようでした。そもそも、企業規模の大小は関係なく(それこそ登記前の団体が名乗りを上げて廃校を利用しているケースもある)、こういったプロジェクトにおいては地域への貢献性やそのほか諸々といった諸事情が勘案され素人にはなかなか難しい世界なのです。そういった事業者への「裏玄関」としては「廃校コンサルタント」という存在がおり、着手百万、もろもろ合わせて三百万円ぐらいあればうまく東京駅から1時間ほどで到着する築20年程度できれいなつくりをしたコンクリート建築の校舎が安く調達できるようで、こういった政治力を武器にしたやり方があることに私は感嘆しました。この話に限ったことではないですが、年商X億円規模のビジネスを狙うには、こうした何かしらの「工夫」は必要不可欠でしょう。

6. 先行者は年商十億円以上を稼いでいることが市場参入の大前提

 その上で、参入すべきマーケットのもう一つの指標としては、先行者が年商十億円以上を稼いでいることです。これがこれよりも大きく年商百億円、年商千億円となるとなかなか勝てなくなりますし、逆に一番儲かっている先行者でも年商一億円ということになると、一年で年商X億円を目指すのは絶望的で、多額の投資や多くの労力を投資したときにそれを回収することが困難になるからです。多額の投資を掛ける際には、さすがにそれだけの資金をもっている側が投資に値するか否かを判断するので問題ないのですが、小さいマーケットに大きな労力を費やしてしまうという失敗は起こりがちなことであり、そうした失敗をどのように避けるかは非常に重要な経営判断の一つになります。

7. 先行者はさまざまな理由でビジネスに対する熱意を無くすことがある

 また、参入する事業を決める際にもう一つ重要な点としては、先行者がもうすでにそのビジネスに対する熱意をなくしていることも大切です。これにはさまざまな要因が考えられますが、もっとも大きいのは衰退産業であること、次いで創業者になにがしかの不幸があり会社が傾いたり、創業者が政治活動やアイドル育成プロジェクトや違法薬物に夢中になって経営に支障を来している場合です。

 ここで、なぜ参入先として衰退産業を薦めるのか、疑問に思われることも多いのですが、プログラミング教育などが代表的な事例ですが、今盛り上がっている業界というのは、競争も厳しく、競争相手も多く、なかなか自分たちが業界のNo.1になることが難しいからです。基本的に商品の価格などは業界No.1企業がデファクトスタンダードを取ることが多いため、業界No.1にならなければ十分な利益をあげることは難しく、経営が不安定化します。そのように考えると、自社が参入したときにNo.1になりうる要素を見つけることがまずは大切です。

 たとえば、業界のガリバー企業が75%以上の圧倒的なシェアを持っているように思える業界でも目を凝らしてみたり、大局的に俯瞰してみると勝機が残っているケースがあります。たとえば、人材業界であれば第二新卒や中卒にのみ焦点を当てて育成を含めて就職活動支援をしている会社が伸びていますし、SNSでの宣伝に特化して伸びている業界もあります。司法試験でいえば、渋谷には予備試験からの合格者の75%以上が通う塾がありますが、これについても法科大学院の近くに低いコストで校舎を大量に構え、基礎講義・短答対策講義・論文講義を無料で視聴させる代わりに論文添削でマネタイズするなどの方法で、法科大学院に通う受験生も含めた全体の司法試験合格者シェアの大半を取るなどの方法で勝つことはできるかもしれません。このように一見、大手企業が圧倒的なシェアを持っていて、なかなか勝ち目がなさそうに見える業界も見方を変えれば勝てる要素が残っているケースもあります。このようにどこに勝ち筋があるのかを常に凝視することは非常に大切な要素になりえます。

8. 王者の隙を突き一気に駆け抜けるのがシェアNo.1獲得の王道~SEO・SEM・LPO・Youtube・紙の書籍・電子書籍・アプリ・Webサービスで総攻撃を仕掛ける方法~

 こうした勝ち筋を見つける上で大切なのが、SEO・SEM・LPO・Youtube・紙の書籍・電子書籍・アプリ・Webサービスへの対応が遅れた大企業を狙う方法です。そういう意味でも、私はプログラミング教育のような、最先端の技術と動向に詳しい優秀な経営者の居る競争過多な業界に参入することはおすすめしていません。この手法で勝ち上がってきている企業としては、リクルートに対するリブセンスやポート、大手予備校に対しての武田塾、など枚挙に暇がありません。とにかく、一つ一つについて精査し、すべてを使って年商X億円企業の存在しうるマーケットで圧倒的シェアNo.1獲得を目指すことが大切になります。こうした、年商X億円を狙えるマーケットの良さは、SEO・SEM・LPO・Youtube・紙の書籍・電子書籍・自社アプリ・自社Webサービスというこれらの施策がほとんど絶大な効果を持って効いてくることです。(ただし、しっかり作り込んだ場合に限ります。)年商X千万円のビジネスではこうはいきません。(年商X千万円のビジネスで効いてくるのは、せいぜいSEO・SEM・LPO・紙の書籍ぐらいです。)

 ここでは、年商X億円のビジネスを考える上で、これらの手法をどのような順番で組み合わせて展開していくかについて紹介していきたいと思います。まず、先程紹介したように、自らの労働力を資本金の代わりとするような労働集約型産業においては、そうして生み出したコンテンツなり成果物をネット上で無料で公開し、SEOからの流入を増やしていくことは必要不可欠です。Youtubeや紙の書籍・電子書籍についても同じことが言えるでしょう。この時、特にSEOを考える上で重要なのがコンテンツを投下する順番です。キーワードを調べ、なるべく競合が弱く、検索ボリュームがあるところを狙って集中的に記事を投下し、アクセスを稼ぎ、ドメインパワーを強くしていきながら、まずは目安として月100万PVを稼ぐサイトを作っていく必要があります。これぐらいのPVがあれば、仮にお問い合わせ率がPVの0.1%であったとしても毎月1000人からの相談が見込め、そこから50人~100人ぐらいのお客様が見込めますから、商品の単価にもよりますが、ある程度の資金が出来てくるでしょう。全くお金がなければまずはここから始めることが大切です。幸い、私の友人の小山がこうしたオウンドメディアの運営には詳しいので、もしオウンドメディアに興味がありやってみたいという方は、ぜひこの記事を最後までご覧いただいた上でLINE@かメールフォームでお問い合わせいただければ幸いです。

 こうして自社のオウンドメディアをヒットさせると、サイトにGoogle Analyticsを入れておくと、検索クエリが集まります。これは、どのような検索キーワードで検索してそのサイトにたどり着いたかがわかる大事な資料で、このなかのキーワードから検索した人の心理を考えた上で、購買意向がありそうなキーワードに対してはGoogle Adwordsで出稿を行います。このあたりでのキーワードの選び方については別記事「儲かるキーワード・儲からないキーワードの見分け方」で詳しく述べていますので、ご覧いただければ幸いです。この検索クエリから出稿キーワードを選ぶやり方の際の注意点についても書いています。

 また、立ち上げ当初から資金がすでにあるのであれば、オウンドメディアの立ち上がりを待つまでもなく、どんどんリスティング広告を出すことをおすすめします。だいたい、X億円を狙えるマーケットで、単価200円で出稿すると1日1万円ほど、1ヶ月で30万円ほどになります。これでそもそもその商品がマーケットにとって価値があるものなのかどうかを把握して、想定していたビジネスモデルが予定通り回りそうであれば、手元資金が許せばの話ですが一気に単価300円まで上げて、1日3万円ほど、1ヶ月で100万円ほどまで広告投資を増やせば良いです。CPAは下がりますが、それでも回るのであれば、掲載順位1位を死守しながら、とにかく広告にお金を掛けながら、お客さんをどんどん獲得し、事業をどんどん拡大する段階に入ります。ここの段階でちゃんと名乗りを上げないと、反撃に遭い、なかなかその後の展開が難しくなることがままあります。チャンスがあるときに一気に駆け抜けることで、競合に勝るとも劣らない実績を積み重ねることができるようになります。逆にどうも回らなそう、カツカツという場合には広告出稿額はそのままにしながら、しばらくリスティング広告やランディングページやオペレーションを改善し数値の改善をしましょう。前回の記事でも紹介しましたが、やるべき改善をきちんとこなしていれば、どんなお客様が相手でもかなりの確率で数字の改善は見られます。諦める理由を探すのであれば、うまくいく方法を考える執念がここでは大切になります。

 ここの部分を四苦八苦しながらうまく切り抜けることができれば、同時並行で、Youtube・紙の書籍・電子書籍・アプリ・Webサービスなども仕掛けていくべきでしょう。順番は先頭が先で、後半が後です。自前のコンテンツを活かしながらのYoutube動画や、文字では伝わらない実際の体験談などの動画、権威を上げる機能もある紙の書籍、Amazonという新たなチャネルを開拓しうる電子書籍は大してお金を掛けなくとも大企業に勝るとも劣らないクオリティーのものが出来上がるのでぜひやるべきです。動画については、人気Youtuberのように編集がうまい人がYoutubeで検索していても、TwitterにもCrowdworksにもたくさんいますので、そういう人たちに編集を任せながら、アドバイスをもらいながらやるべきでしょう。あれはあれでしっかり準備しなければまず成功しないマーケットです。また文字を読む人とは関心が違う場所にあるケースも多く、製品のターゲットは考えつつも、Youtubeで人気が出るような適切なコンテンツを考えなければいけません。また、紙の書籍・電子書籍については別に出版社を使わなくても、自分で出版社を立ち上げて行うことも実はさほどむずかしくありません。出版社は手元資金がほとんどいらずに立ち上げることができるビジネスなのです。ただ、Amazonに出す形になりますから、装丁だけはcroudworksで3万円以上は払ってきれいなものを一冊一冊独自につくるべきです。それが結構勝敗を分けます。

 こうした取り組みの一方で、例えばアプリやwebサービスといった取り組みは初期の段階ではネットビジネスといえど優先順位は低いことが多いです。なぜなら、あなたがエンジニアであるか否かにかかわらず、作るのにかかるコストに対して、期待できるリターンが顧客数が十分でないうちは小さいからです。たとえば、簡単なしくみでできるクイズアプリなどであれば、宣伝効果が多少見込めるのであれば作ってみてもいいかもしれません。ただ、継続率を上げるためにデーターログを残すような大規模なwebシステムの開発などは、ある程度の顧客数が集まるまでは後回しにしてしまって問題ないでしょう。ただし、こうしたデータマイニング的な取り組みが他の競合と比べて大きな優位性として後々機能することは言うまでもないことです。エンジニアの採用が難しい時代になっていますが、これらが自分で一通り学んででも作る価値のあるプロダクトであることは、長期的に見れば疑うことのできない事実です。

9. 先行者に勝てる事業と先行者に勝てない事業の違い~「規模の不経済」の有無~

 このような取り組みを通じて、私達は新規参入者として、今まで独自の地位を占めていた企業と闘い勝たなければならないわけですが、こうした取り組みを行う参入市場を選ぶ際に、また一つ重要視すべき点があります。それは、「規模の不経済」が存在するか否かです。

 前述した人材業界におけるリクルートに対するリブセンスやポートの立ち位置は、膨大なデーターベースを元にして「規模の経済」のスケールメリットを享受しているリクルートに対して、いまいちそうしたメリットを享受できていない二社という関係が成立します。そうした点で考えると、教育業界は「規模の不経済」が(多数乱戦市場の代表格とされる飲食業界以上に)強く働くマーケットであり、下剋上のチャンスに満ちあふれています。

 最初に参入する業界としては、規模が必ずしもサービス提供上有利にならないマーケットを選ぶことも、比較的スムーズに勝ち進んでいくためには重要ではないかと思います。

10. 自社独自の「規模の経済」を生むメカニズムも重要~脱SIer的ビジネス・人材SPAモデルを作る~

 ただし、「規模の不経済」が働く業種に参入し勝ち上がったとしても、自社がシェアNo.1になった場合には、すばやく「規模の経済」が働く構造に変えていくことが大切です。そのための方法としては様々なものが考えられますが、ざっと思いつくものとしては下記の二つです。

(1) SIer的なビジネスを行わないこと

(2) SPAモデルを作ること

 まず、(1) SIer的なビジネスを行わないことについてですが、これはオーダーメイド型の商品を作らないということです。なぜなら、オーダーメイド型の商品を作ろうとすると、どうしても担当するスタッフによってクオリティーにばらつきが出てしまい、その結果として、顧客が離れてしまうのです。ですから、このサイトそのものもそうですが、しっかりとした詳細なマニュアルを作り、そのマニュアルに沿った仕事をスタッフ全員がすることが大切になります。

 (2) 人材SPAモデルを作ることについてですが、これは自社の顧客からスタッフを採用し、自社の考え方が根付いた人材を育成し、事業を回していくという考え方です。結局の所、事業は「人」が作るものであり、事業に関わる人がいかに自社のマニュアルを自分のものにしているかが事業の成否を決めるため、自社のマニュアルと自己を一体化している人を採用できるような仕組みを作ることが大切になります。

11. 他に考えうる月100万円以上の広告予算を運用する際のいくつかの注意点

 その他に、これぐらいの規模の広告予算を運用する上で注意すべき点としては、大企業はともかくとして個人レベルでこれだけの予算を管理すると、しばしば管理が雑になることです。当たり前のことですが、流入経路それぞれにタグを入れるか問い合わせ先を変えるなどして効果測定をしなければなりませんし、毎日その月間の累積の結果を認識しておかなければ正しい判断ができません。これは当たり前のことのようでいて、意外とないがしろにされがちな部分なので大切に守らなければならない部分です。

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